2012年8月3日金曜日

映画「ジェーン・オースティンの読書会」


すみません、読み・書きがテーマのメルマガ/ブログなのに映画が続いてしまって。
今回は、「ジェーン・オースティンの読書会」です。

前から観たいと思っていました。
本場のブッククラブの様子を見たくて。

ジェーン・オースティンの本にはまったく興味がないので、それらを読んでいないとこの本を読んでもおもしろくないのでは、とあきらめていたので、映画で見られてよかったです。(必ずしも、本と映画とはイコールではないと思いますが。)

十分にイメージが伝わってきました。
参加者6人が順番にホストになり、自宅ないし自分が指定した場所でブッククラブを開くのです。基本的には、ホーム・パーティーの雰囲気です。
メンバーは、親しい友人もいれば、ほとんど行きがかりの人まで様々です。
人数を確保するのに、かなり無理をした、という印象です。(ジェーン・オースティンが書いた6冊の本を読むので、6人いた方がいいと思いこんでいた人がいたようです。)

しかし、私が映画で一番印象に残ったのは、ブッククラブそのものというよりは、唯一の男性メンバーであるグリックをブッククラブに誘った際に、まとめ役のジョスリンは、サイエンス・フィクションが大好きなグリックからアーシュラ・ル・グィンの『闇の左手』と『天のろくろ』を紹介され、しばらく後には、その本をプレゼントされたことに関連することでした。
グリックは、その後何回かジョスリンに「本は読んだ?」と尋ねますが、サイエンス・フィクションは小説ではないと思っているジョスリンは読む気がまったくありません。
しかし、あるきっかけから実際に読んでみると、とても気に入り、グリックと恋にまで落ちてしまう、というお話です。

ブッククラブの具体的なイメージがつかみたくて観たかったのですが、発見したのは、自分の気に入った本が人に与えるインパクトの大きさでした。
他の何人かのメンバーもそういえば、ジェーン・オースティンの本が取り持つ縁で関係を修復させていました。

それほど、本を介した関係というのは大切だ、ということです。
私たちの社会でも(学校も含めてですが)、あまりにも軽視されすぎている気がします。
(ちなみに、『ギヴァー』のコミュニティーでは、本自体が存在しないので、ブッククラブも、本の紹介もできません。)それで、いい人間関係が築けるのかな、と。少なくとも、極めて効果的なきっかけを失っていることだけは確実のようです。

なんとか呼び起こしたいものです。

そのためには、
  ①まずは自分のこだわりの本を見つける(それも、できるだけたくさん)
  ②紹介してもいい人を見つける(これも、できるだけたくさん)
  ③本と人をうまくマッチングして、実際に紹介する
  ④グリックがしたように、しっかり繰り返しフォローアップする
  ⑤何が生まれるかは、相手に任せる
  ⑥可能なら、一冊の本ないし一連の本に関心の持てる人を集めてブッククラを開く
といった手順が考えられるでしょうか?

なんか、「おせっかい」の手引きみたいですが、アクションを起こす価値は大いにあるのではないかと思います。
大村はまさんが、毎年国語の授業でしていたことはこんなことも含まれていたんじゃないかという気がします。
一方的に教科書の中にある「良書」の一部を読まされるのではなく、「これは、あなただけの特別な本よ」という紹介の仕方で渡されたら、インパクトはまったく違います。

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