2017年10月7日土曜日

「読むスキルを意識的に使わない」というスキル



 先週のRWWW便りでは、優れた読み手が使っている読みのスキルが具体的に紹介されました。

 読みながら、「読むスキルを意識的に使わない」というスキルをどこかに入れたいなと思いました。「いつ、どのスキルを使うのかを見極める力」と言い換えたほうがいいのかもしれません。
 
 そう思った理由は、自分自身の読みを振り返ると、読みのスキルを意識的に使うのが難しいときと、読みのスキルを意識して使うことでとても助かっている部分の両方があるからです。
 
 本の世界に入り込んでいるときは、意識してスキルを使うことはありません。おそらく、無意識のうちに最適のスキルを選んで最大限活用しているから、臨場感をもちつつ、フロー状態?を楽しめるのだと思います。
 
 この時間に、もし、他の人に「このスキルとこのスキルを使って読みなさい」とか「章ごとに大切な点をまとめ、自分の質問を書きなさい」等と言われると、逆に読みにくくなります。「中断されたくないのに」と思ってしまいます。
 
 他方、スキルを教えてもらって、意識的に使うことで、とても助かるときも多くあります。特にうまく読めないとき、理解できないとき、問題にぶつかったときはそうです。また、学習者を見ていて、読めていないなと感じるときに、このテキスト、この学習者については、どの読み方、どのスキルを教えると、読めるようになるのだろうと考えます。
 
「いつ、どのスキルを意識して使うのか」という見極めの基準は「目的」と「ジャンル」かな?と思っています。

 
 先週のRWWW便りで紹介されたスキルの⑧は「読み始める前に自問自答できること」で、その二つめに「これを読む目的は何か?・ この本/テキストから学びたいことは何か?」です。
 
 自分の楽しみにために読むときと、こういう情報を得たい(あるいはテストのために記憶に残るように読みたい)という目的で読むときとでは、当然、読み方のモードが異なります。

 使えるスキルのレパートリーが増えるともに、読む目的やジャンルで「自分が意識的にスキルを選ぶ」ことと、「意識的にスキルは使わずに、本の世界に没頭し、読んでいる本にスキルを選ばせる(自分は無意識に使っている)」、このバランスがうまくいくと、さらに読むことが楽しめそうな気がします。








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